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観察力・言語化・見える化の再設計により安全と定着を確保

スタッフブログ

2026.03.21

職場の安全衛生や労務全般についてサポートさせていただいている。離職率が高い、労災事故が多発する事業所での共通事項から提案事項を整理した。

若手は「やりがい不足」で辞めているのではない。いずれの産業においても、「最近の若手は根気がない」「やりがいを感じないらしい」という声を聞く。しかし現場を観察すると、実態は異なっているようだ。離職の本当の理由は自分が何をできるようになったのか分からない、何をもって“できている”と評価されるのか不明、注意されるが改善ポイントが具体的でない、こうしたことから成長している実感が持てない。つまり、「成長が見えない職場」から人は辞めると認識している。

いわゆる昭和型の指導は、「安全にやれ」、「慎重にやれ」、「常識で判断しろ」これはベテラン同士では通じるが、経験のない新人には解釈不能な言語である。結果として曖昧な指示を具体化できないため発生するミス、ミスの理由が分からないことからの自信喪失。結果、成長実感が湧かないことからの離職ではないだろうか。 

問題は“能力”ではなく“翻訳不足”と捉えてはどうであろう。本稿で提案する解決の軸は3つ。「観察力 +言語化 + 見える化」である。① 観察力(指導者側)見るべきは、ミスが発生した結果について、どのタイミングで迷ったのか、どこで確認を省いたのか等、ミスの瞬間ではなく“判断の瞬間”を観る。② 言語化(新人側に持たせる能力)重要なのは「教えること」から本人が説明できる状態をつくること。例えば「今の作業を説明して」、「次に何を確認する?」これにより理解のズレが可視化される、自己の思考を自覚できれば再現性が生まれる。③ 見える化(数値・基準)では指導者に抽象指示を禁止する。「もう少し慎重に」、「ちゃんと合わせろ」という指導から「あと5mm手前で止める」、「3秒止めてから次動作」 “感覚”を“数値”に変える改善の具体策を提示できる指導である。教える時間を減らし説明力を重視する。

この仕組みから、作業ミス → 減少、教育時間 → 短縮、労働災害→減少、若手定着 → 向上につながる。不安全行動の発生や離職原因を「やる気」や「世代」で片付けるのではなくマネジメントでは観察する力(ズレを見抜く)と言語化させる力(理解を引き出す)見える化する力(成長を実感させる)の有効性を再設計したい。 人は“できるようになっていると実感できる職場”にしか残らない時代を迎えている。

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